ある初秋の日、初期認知症の高齢の父が迷子になり、救急車で搬送されました。
どうしたら高齢者の突発的な事故を防げるかを考えます。
高齢者グループでの秋の散策
ようやく秋となり、散策しやすい季節になりました。
父の友人らのグループは、主に歩くことを目的として、東京都の史跡を巡っているそうです。
ある日の夕方、父が友人に電話したところ、明日、上野公園近くの史跡に行く予定があるとのことでした。
父は少し考えていましたが、思い切って参加することを友人に伝えました。
待ち合わせは、自宅最寄りのJR駅のホームに午前10時集合とのことでした。
集合時間に遅刻
翌日の朝、父と別居している私は、見守り用のWebカメラで父の様子を見ていました。
午前9時ごろ、そわそわしている父の様子があったのですが、午前9時半になっても出かけません。
後で聞いたところ、JRに乗るためのSUICAが見つからず探していたそうです。
その後、午前9時40分ごろには出かけたので少しホッとしました。
JRの駅には20−30分くらいかかると思いますが、友人がいるので安心していました。
[それが油断でした]
夕方になっても帰宅せず、そして突然の電話
見守りカメラで見ると、午後4時を過ぎても帰宅していません。次第に心配になってきました。
そして突然、高齢者福祉センターの方から私の携帯に電話がありました。
目的の場所とほど遠い都電の駅で尻餅をつき、うずくまっていたので保護したそうです。
その後、救急車で搬送して頂いたとのことでした。
父の携帯に電話したところ、救急車の中でした。
救急隊員に代わってもらったところ、搬送先が決まっておらず、決まり次第、私に連絡するとのことでした。その後、父の希望でお世話になっている大学病院に搬送となりました。
*救急車の搬送先は、救急隊員の方と相談すると臨機応変に対応していただけます
大学病院に父を迎えに
救急搬送先は、認知症の治療でもお世話になっている大学病院でした。私は父を迎えに病院に行きました。血液検査の結果が出しだい医師から説明があるとのことで、待合室で30分ほど待ちました。
医師からは、脱水症状などは特になく、血液結果の結果も問題ないため、帰ってゆっくり寝て下さいと言われました。また、「このような状況で今後どうするかは難しいところですが、ケアマネージャーと良く話し合って下さい」と医師に言われました。
帰りのタクシーの中で
帰りのタクシーの中で迷子になった状況を父に聞きました。JRの駅での待ち合わせに遅刻した父は、自力で目的地に行こうとして迷子になったそうです。午前9時から午後4時くらいまで飲まず食わずで歩き、何とか辿り着こうとしました。結果として、幸い脱水症状はなく、病院での点滴で多少元気になりました。
白内障が進行していることもあり、自分で電話することができなかったようです。幸い、倒れた場所の前に高齢者福祉センターがあり、3人の方が飛び出て助けてくれたそうです。
最後に
父は初期の認知症で、足腰が少し弱っているのですが、友人がいるということで、お出掛けに賛成しました。本人も反省していますが、今回の教訓をまとめます。
- 待ち合わせに遅れる場合、父から友人に電話するか、諦めて自宅に帰る。
- 待ち合わせに遅れそう、あるいは帰宅が遅くなったら、私から父に電話する。
私の父は初期の認知症ですが、認知症の進行によっては、自分の居場所がわからなくなります。
その場合は、GPS発信機をリュックや靴に取り付けることも有効だと思います。
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