人生100年時代。
私たちは、これまでの世代が経験したことのない長い人生を歩むことになりました。
特に70代は、子育てや仕事といった大きな責任から解放され、自分自身と向き合う時間が増える、まさに「人生の円熟期」です。
私は50代ですが、若い頃には気づけなかったこと、数々の経験を経てようやく見えてきた景色が、かすかに見えてきました。
そこには、私たちの毎日をより豊かで、穏やかなものにしてくれる「宝石のような知恵」が詰まっているのだと思います。
70代の方々の言葉や生き方から学ぶ「人生の教訓」を10個紹介します。
この記事が、皆様の人生の羅針盤となれば幸いです。
70歳から学ぶ人生の教訓 10選
見栄や体裁より「自分の心地よさ」を最優先する
若い頃は、人からどう見られるかを気にして、無理をすることもあったかもしれません。
しかし、人生の達人たちは「自分が本当に心地よいか」を何よりも大切にします。
高価な服やブランド品で身を飾るのではなく、肌触りの良い服を着る。
義理や付き合いの集まりよりも、心から会いたい人と過ごす。
その選択が、穏やかな日々を作ります。
人間関係は「量より質」。執着を手放す
多くの人と繋がっていることが豊かさだと考えがちですが、70代の知恵は「人間関係の断捨離」を教えてくれます。
去る者は追わず、無理に合わせる関係は手放す。
その代わりに、本当に心を通わせられる数人の友人や家族との時間を慈しむ。
深い絆こそが、人生の大きな支えとなります。
「まあ、いいか」の魔法。完璧主義をやめる
すべてを完璧にこなそうとすると、心も体も疲弊してしまいます。
長年の経験から、人生は思い通りにいかないことの連続だと知っている70代は、「まあ、いいか」「なるようになるさ」という、良い意味での「諦め」を知っています。
この言葉は、自分と他人を許し、心を軽くする魔法です。
健康は義務ではなく「楽しむための資本」
「健康でなければ」と義務のように捉えると、かえってストレスになります。
70代の知恵は、健康を「人生を楽しむための大切な資本」と捉えます。
美味しいものを食べ、好きな場所へ出かけ、友と笑い合うために、自分の体を労わる。
毎日の散歩も、景色や季節の移ろいを楽しむ時間と捉えれば、義務感は消えていきます。
過去を悔やまず、未来を憂えず、「今、この瞬間」を味わう
「あの時こうしていれば…」という後悔や、「これからどうなるのだろう…」という不安は、心をすり減らします。
人生の達人たちは、変えられない過去や、どうなるか分からない未来に囚われるのではなく、「今、ここ」にある幸せに焦点を当てます。
お茶の香り、窓から入る日差し、鳥の声。日常の小さな喜びに気づくことが、幸福の秘訣です。
孤独は敵ではない。自分と静かに向き合う時間
「孤独=寂しいこと」ではありません。
一人の時間は、誰にも邪魔されずに自分の内なる声に耳を傾け、本当にやりたいことを見つめ直すための貴重な時間です。
読書、趣味、物思いにふける…。
孤独を味わい、楽しむ術を知ることで、人生はさらに深まります。
いつまでも「学び」と「好奇心」を忘れない
年齢を理由に新しいことへの挑戦を諦めていませんか?
「もう年だから」は禁句です。
新しい言語を学ぶ、楽器を始める、地域のイベントに参加する。
知的好奇心は、脳を活性化させ、生活にハリと潤いを与えてくれます。
学び続ける姿勢こそが、若々しさの源泉です。
「ありがとう」を口癖にする。感謝が幸福を呼ぶ
当たり前だと思っていることの中に、どれだけ多くの「ありがとう」が隠れているでしょうか。
家族がしてくれること、お店の店員さんの笑顔、今日一日を無事に過ごせたこと。
小さなことに感謝の気持ちを持つと、心は温かくなり、周りの人との関係も良好になります。
「ありがとう」は、自分も相手も幸せにする魔法の言葉です。
自分の「ものさし」で生きる。他人と比較しない
SNSを開けば、他人の華やかな生活が目に入り、つい自分と比べて落ち込んでしまうことも。
しかし、幸せの形は人それぞれです。他人の評価や価値観(ものさし)ではなく、自分が納得できる「自分のものさし」で物事を判断する。
そうすることで、ブレない自分を確立し、穏やかな心でいられます。
「死」を意識することで、「生」はより輝く
終わりを意識するからこそ、今この瞬間が愛おしく、輝いて見えます。
これは決してネガティブなことではありません。
「残された時間で何をしたいか」「誰に想いを伝えたいか」を考えることで、一日一日をより大切に、丁寧に生きようという気持ちが湧いてきます。
限りある命だからこそ、今を精一杯生きるのです。
【まとめ】
70代の知恵から学ぶ人生の教訓、いかがでしたでしょうか。
これらの教訓は、決して70歳になったから突然身につくものではありません。
日々の生活の中で少しずつ意識し、実践していくことで、私たちの人生はより深く、豊かなものへと変わっていくはずです。
まずは一つでも、心に響いたものから試してみませんか?
あなたの毎日が、もっと心地よく、輝かしいものになることを願っています。
[参考文献]
『老いの才覚』曽野 綾子 (著)
ベストセラー作家が自身の経験をもとに、老いを前向きに捉え、自立して生きるための具体的な心構えを説いています。「孤独」や「わがまま」を肯定的に捉える視点は、新しい気づきを与えてくれます。
『九十歳。何がめでたい』佐藤 愛子 (著)
痛快な語り口で、高齢者を取り巻く社会や自身の老いに対する本音を綴ったエッセイ集。ユーモアの中に、人生の本質を突く鋭い洞察が光ります。「言いたいことを言う」「世間の常識に囚われない」という姿勢は、多くの読者に勇気を与えるでしょう。
『70歳が老化の分かれ道』和田 秀樹 (著)
老年精神医学の専門家が、70代をいかに健康で意欲的に過ごすかについて、医学的見地から解説しています。「意欲の低下を防ぐ」「新しいことに挑戦する」といった具体的な方法論は、ブログ記事の教訓に科学的な裏付けを与えてくれます。
『死ぬときに後悔すること25』大津 秀一 (著)
終末期医療の専門家として1000人以上の患者を看取ってきた医師が、多くの人が最後に口にする「後悔」をまとめた一冊。逆説的ですが、「後悔」から学ぶことで、「今をどう生きるべきか」という人生の教訓が見えてきます。
『百歳人生を生きるヒント』五木 寛之 (著)
国民的作家が、自身の老いと向き合いながら、人生の終盤をいかに豊かに生きるかについて思索を深めた一冊。
まったく新しい生き方の提案が述べられています。