はじめに
50代になると、多くの人が一度は次のように考えるのではないでしょうか。
- このまま定年まで今の会社で働けるだろうか
- 体力や健康に不安が出てきた
- 会社を辞めた途端、収入がゼロになるのは怖い
一方で、「FIRE」という言葉に対しては、
「若い人向け」「高収入な人の話」「自分には関係ない」
と距離を感じている方もいらっしゃるでしょう。
そんな中で注目されているのが、『シン・FIRE論』です。
これは、会社を辞めることを目的にしないFIRE、
言い換えれば、会社に依存しすぎない生き方を目指す考え方です。
従来のFIREが50代に合わなかった理由
従来のFIREは、次のような前提で語られてきました。
- 生活費の25倍以上の資産を用意
- 資産運用だけで生活
- できるだけ早く完全リタイア
このモデルは、
時間があり、収入を伸ばせる若年層には成立しやすい一方で、
50代には現実的とは言いにくい面があります。
- 医療費・介護費の不確実性
- 年金受給までの空白期間
- 住宅や家族に関わる支出
これらを考えると、
「完全に働かない前提」はリスクが大きいのが実情です。
『シン・FIRE論』とは何か
『シン・FIRE論』の本質は、
「働くか、辞めるか」の二択から抜け出すことにあります。
主な特徴は以下の通りです。
- 働き方を減らす・選ぶ・副業と組み合わせる
- 収入源を一つに依存しない
- 年金制度を前提に設計する
- お金だけでなく、時間と健康を重視する
つまり、「会社を辞めても生きていける状態」を作ることが目的で、
必ずしも辞める必要はありません。
なぜ50代にシン・FIREが向いているのか
① 生活コストが見えている
50代は、若い頃と比べて生活が安定しています。
- 生活水準がほぼ固定
- 無理な支出が少ない
- 住宅ローンの終わりが見えている
そのため、
「いくらあれば生活できるか」を具体的に把握しやすい
という大きな強みがあります。
② 年金という土台がある
シン・FIREでは、年金を「最後の保険」ではなく設計に組み込む前提条件として扱います。
- 年金までのつなぎ資金を確保できれば良い
- 年金+少額収入で生活する
この考え方は、年金受給が現実的な50代だからこそ意味を持ちます。
③ 働き方を見直す動機が明確
50代は、
「収入最大化」よりも
「続けられるか」「負担が少ないか」
が重要になる時期です。
シン・FIREは、
- フルタイムにこだわらない
- 心身を削らない
- 必要以上に我慢しない
という現実的な働き方を肯定します。
会社に依存しない、ということ
「会社に依存しない」とは、
決して「会社を否定する」ことではありません。
- 会社がなくても生活が破綻しない
- 収入が一時的に減っても耐えられる
- 働き続けるかどうかを自分で選べる
この状態を作ることが、シン・FIREの核心です。
結果として、
✔ 精神的な余裕が生まれる
✔ 定年後への不安が減る
✔ 働く意味を自分で決められる
ようになります。
まとめ:50代からのFIREは「依存を減らす発想」
『シン・FIRE論』は、
夢物語でも、極端な節約論でもありません。
50代にとってのFIREとは、
「会社にしがみつかなくても生きていける状態を作ること」
です。
今すぐ会社を辞める必要はありません。
ただ、
「辞められない状態」のまま年齢を重ねるか、
「選べる状態」を作るかで、
60代以降の自由度は大きく変わります。
会社に依存しない生き方を考える第一歩として、
『シン・FIRE論』は十分に読む価値のある一冊です。
